FXコラム なぜ日本の地政学リスクが高くなっても円買いなのか2

前回に続いて、北朝鮮情勢の悪化にもかかわらず進行している円買いについての解説です。

実は日本にとって大きな経済リスクが生じた時に円が買われるという場面は過去にもありました。その典型例が、東日本大震災です。東北地方だけでなく首都圏にも被害を及ぼし、原発事故まで起きたので「日本はもう終わった」と世界が見てもおかしくないのですが、その時に起きたのはパニック的な円買いです。この時もかなりの投資家がやられたわけですが、この現象と今の北朝鮮イシューはよく似ています。

さすがに日本が核戦争に巻き込まれた場合は全面円売りになるはずですが、世界の投資家は「この事態でも日本は安全、平和」と見なしています。東日本大震災が起きた際にも、「これで日本が壊滅することはない」と世界の投資家は判断しました。

それだけ世界から信用されているのは日本人としてありがたいことかも知れませんが、なぜここまで日本円が安全な通貨だと思われているのでしょうか。

通貨レートを変動させる要因はたくさんありますが、ファンダメンタルズ要因の中で重視されるのは、その国の経済状態や経済政策です。ご存知の通り日本は世界第3位の経済大国であり、2位の中国が変動相場制をとっていないことを考えると自由に取引できる通貨の中では実質上の世界2位です。

そして1位であるアメリカがトランプ政権で混乱し、巨額の財政赤字を解決できず世界各国で戦争当事国になっていることは、実は投資家にとってリスクが高いと見なされる要素が多いのです。

日本は一時的に貿易赤字を垂れ流したものの、今では経常収支が黒字に戻り、再び経済の健全性を回復しています。しかも世界中の主要国と無期限、無制限の通貨スワップ協定を結んでいるため、日本円が大暴落をして紙切れになる可能性はまずないと世界は見ているのです。

それでは、円買いがある程度までしか進まないのは逆になぜでしょうか。


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