消費税増税が為替市場に与える影響

消費税の増税は、今は先送り状態にありますが、2019年の10月から10%に引き上げとなるのはほぼ確実とされているようです。
では、この消費税の増税は為替市場にどのような影響を与えるのでしょうか?
増税を行った場合、その国の収益が増えて財政が健全なものとなることが一般的であり、国にとっては良いことであるため、円が買われる要因になる可能性があります。
また、株式市場において消費税の増税による価格の値上げは、消費者の目線では嫌なことですが、投資家や経営者の目線だと収益の増加や改善に繋がるため、株価が値上がりする要因になる可能性があります。
このように、消費税の増税は消費者の目線で考えるとマイナスに捉えがちですが、投資の目線で考えるとプラスとなる可能性もあるのです。
では、為替市場においては、消費税の増税はどのように作用する可能性があるのでしょうか?
過去に行われた3%から5%への引き上げ時の為替動向と、5%から8%へ引き上げとなった時の為替動向を参考に考えていきたいと思います。


消費税が3%から5%へ引き上げされた時の為替市場は、消費税が決まった時には1ドル99円から1ドル82円と、円高ドル安の動きを見せていたのですが、実際に増税が実施された時は1ドル82円から1ドル150円にまで円安ドル高の動きを見せました。
これは、消費税増税が実施されたことによって消費が落ち込み、経済の停滞が発生したことが影響したと考えられます。
次に消費税が5%から8%になった時の為替動向を見てみましょう。
この時は、増税決定から実施以降までずっと円安ドル高の動きがありました。
この時は3%から5%に引き上げられた時に景気が悪化したことが教訓となった可能性もありますが、アベノミクスで量的緩和が行われていたことも影響したのではないかと考えられます。
以上のことから、消費税が10%に増税されて景気が悪化した場合は、これまで以上に金融緩和が実施される可能性があり、円安ドル高の流れが加速すると推測できます。
前回の配信で、消費税増税は円が買われる要因になるとお伝えしましたが、為替においては逆であり、円安の一因になるといえます。

コメントは下のボタンを押して別ウィンドウから投稿できます。